てんかん

100人に1人が患っているてんかん。ここ数年で多くの新薬も開発され、また迷走神経刺激術や外科手術の技術の向上など、発作の抑制は以前に比べてかなり改善してきています。
一方で、てんかん患者さんの悩みは劇的に減ってきているわけではありません。
・うつや記憶障害
・眠気を始めとする薬の副作用。
・運転、仕事、学業への影響
・妊娠、出産
・社会的な偏見
発作は抑制されているのにこのようなことで悩みを抱えている方は多いものです。医師に相談しても「発作は治まっているから大丈夫」と発作以外の悩みには相談にのってもらえていないこともあるかもしれません。これからのてんかん治療は発作の抑制だけに目を向けるのではなく、より一層の生活の質の改善を目指す時代です。
 また忘れてはいけないのは高齢者のてんかんです。てんかんの発症は幼少期に多いですが、ほぼ同じくらいの割合で高齢者でも発症します。高齢者てんかんの中にはいわゆる「ひきつけ、痙攣」ではなく、一瞬ぼーっとする、短期間の記憶が飛ぶ、一時的に変な行動をする、などという一見てんかんには見えないタイプも多いです。認知症と勘違いされていることもあります。記憶力や判断力に大きなムラがある場合はてんかんが隠れていることもありますので医師に相談ください。